アーユルヴェーダは、主に、「チャラカ・サマヒタ」において発達した理論を取り入れています。真っ先にあげられるのは、病気そのものだけではなく、その原因をも取り除くという「目的」そのものが取り入れられた点です。アーユルヴェーダは、薬草と、薬草の調合だけをベースとしています。アーユルヴェーダ療法に使用される薬草は、体の代謝と逆に作用することがなく、徐々に効果を発揮するため、副作用が最小限にとどまるという効果もあります。 アーユルヴェーダは、一人の人間は五つの要素で構成されているとみなします。これらの元素とは、エーテル(空)、風、火、水、地です。人間はこれらの五要素の組み合わせであり、特定の要素が組み合わさると様々な身体機能を創設する能力が生じます。
例えば、エーテルと風が組み合わさると、アーユルヴェーダでヴァータ・ドーシャと呼ばれているものを形成します。ヴァータは運動の原則をつかさどるもので、神経インパルス、循環、呼吸、排泄等を指揮する能力であるとみなされます。
アーユルヴェーダの基礎知識
火と水の要素が組み合わさることでピッタ・ドーシャが形成されます。ピッタ・ドーシャとは転換と代謝のプロセスです。私たちの体が消化した食べ物を養分へと転換することはピッタの機能の一例です。
最後に、水と地の要素の組み合わせはカファー・ドーシャを形成します。カファーは成長をつかさどり、各部位の組織を育てていく働きをします。カファー・ドーシャのもう一つの機能は保護の適用です。脳や脊柱を保護する脳髄液は、体内に見られるカファーの一種です。胃の粘膜も、カファー・ドーシャによる粘膜保護を示すもう一つの例です。
アーユルヴェーダのシステム
人間はそれぞれに、ヴァータ、ピッタ、カファーというドーシャの独特な比率で構成されていると説明しています。ドーシャの構成比率は個人によってまちまちなのです。ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、又はカファー)のどれかが蓄積すると、アーユルヴェーダは、その人の過剰となったドーシャを減らすために役立つ特定の生活習慣と栄養指導を提案します。
この治療技術は、古代インドで高く評価されていました。それは、神聖な地位まで引き上げられ、この技術の実践者であったダンヴァンタリは特に医療の神として祀られるようになりました。また、通常の実践者たちすなわちアシュウイニクマルたちも神話や民話の中で特別な地位を与えられました。
アーユルヴェーダ式マッサージ
アーユルヴェーダ式マッサージは、長い木製のテーブルの上で実施されます。シンクロナイズ式マッサージであるアビヤンガは、マッサージ師が体を揉む際に伝統的な薬用オイルを使用します。体から過剰な体液が除かれることからも、その効果は明らかです。ピジチルの若返り治療は、リューマチや関節炎に効果があります。シローダラは、額に薬用オイルを注ぐか又は流すことにより心と体を静め、しかも活性化するともいわれ、大いなる健康感を体験することが出来ます。